2016年8月
粒子輸送計算コードPHITSと核データ処理コードNJOYを用いた中性子照射環境下でのPKAエネルギースペクトル及びカーマに関する比較研究
INDC(NDS)-719 (Internet)
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- 記述言語
- 英語
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国際原子力機関(IAEA)では国際共同研究活動(CRP)として、放射線損傷断面積データの評価や見直し等を進めている。本CRPの第2回会合で、最も広く使用されている核データ処理コードNJOYにより計算された一次はじき出し原子(PKA)スペクトルとカーマの検証の提言を受けて、核データに関連する技術会合が開催された。われわれは、原子炉等の構造材について、JENDL4.0, ENDF/BVII.1及びTENDL2015の核データライブラリを用いて、粒子輸送計算コードPHITSとNJOYによるPKAスペクトル及びカーマの計算を行った。その結果、ENDF/BVII.1とTENDL2015の多くの核種に対して、PHITSとNJOYの両手法によるPKAスペクトルの差異は小さいことがわかった。また、中性子エネルギー10eV以下において、TENDL2015の多くの核種に対するNJOYを用いた中性子カーマの計算は、生成$\gamma$線エネルギーデータの不具合からカーマを正しく導出しないことがわかった。一方で、$\gamma$線エネルギーをモデルに従い計算できるPHITSは、正しくカーマを計算できることを示した。今後のCRP活動では、PHITSコードを活用して、多くの核種に対するNJOYにより導出された放射線損傷断面積データの検証を実施する。