2013年11月
400MeV/u炭素イオンによる放射性フラグメント生成反応励起関数の測定
Transactions of the American Nuclear Society
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- 巻
- 109
- 号
- 2, Part 2
- 開始ページ
- 1253
- 終了ページ
- 1255
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
放射線医学総合研究所HIMACにおいて400MeV/uの炭素イオンを厚い鉛ターゲットに照射し、$^{Nat}$Pb(C,x)反応でのフラグメント生成断面積をエネルギーの関数として32種類の生成核に対して求めることに成功した。実験では、陽子入射でこれまで用いられてきた積層箔法を重イオン入射反応用に改良した新手法を用い、これにより先行研究にほとんどなかった励起関数の測定を可能とした。本実験での測定結果は、薄いターゲットを使用して測定した結果との比較で矛盾なく一致していることから、本測定手法は妥当なものと判断される。実験結果により放射線輸送計算コードPHITSを検証した結果、軽いフラグメントや100MeV/u近くのエネルギーに対して断面積の過小評価がみられた。さらなる解析によりPHITSの物理モデルの欠損、特にマルチフラグメンテーション過程の不足がその理由であることを明らかにした。なお、本発表は2012年に開催された第12回放射線遮へい国際会議における報告がセッション最優秀論文賞に選定されたため、本学会に推薦され、招待講演を行うものである。
- ID情報
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- ISSN : 0003-018X