放射線輸送計算コードPHITSとそのハドロン反応模型
International Workshop on Transport Simulations for Heavy Ion Collisions under Controlled Conditions (Transport 2017)
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- 開催年月日
- 2017年3月
- 記述言語
- 英語
- 会議種別
- 国・地域
- アメリカ合衆国
重粒子線がん治療施設などの重イオン加速器の放射線安全評価においては、原子核-原子核反応の正確なモデル化が重要となる。放射線輸送計算コードPHITSはその反応モデルとして、3GeV/核子以下で用いられるJAERI量子分子動力学モデル(JQMD)と3GeV/核子以上で用いられるJAM量子分子動力学モデル(JAMQMD)を採用してきた。これらのモデルにより、残留核や二次中性子の生成をある程度正確に計算することができたが、核子間に働く相互作用を相対論不変な形式へ修正、核媒質内効果を考慮して核子間の弾性散乱断面積を補正等の改良を近年行っており、より計算精度が向上された。特に従来は、中性子や$\pi$中間子の生成を精度よく予測する点に注意が払われてきたが、現在のJQMDやJAMQMDはその精度を損ねることなく放射性残留核の生成断面積の予測精度が大幅に改善されている。当会議では、放射線輸送計算コードPHITSの紹介を行い、JQMDを中心としてその原理と近年の改良について説明する。