講演・口頭発表等

高エネルギー重イオン核反応モデルJAMQMD Ver.2の開発

日本原子力学会2017年秋の大会
  • 小川 達彦
  • ,
  • 橋本 慎太郎
  • ,
  • 佐藤 達彦
  • ,
  • 仁井田 浩二*

開催年月日
2017年9月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
札幌
国・地域
日本

重イオン加速器の放射線安全評価や宇宙放射線防護では重イオンが主な線源となり、様々な物質と核反応を起こして二次粒子を生成する。放射線輸送計算コードPHITSは核子あたり3GeV以上の重イオンに対しては、その反応モデルとして量子分子動力学モデル(JAMQMD)を採用してきた。このモデルにより、残留核や二次中性子の生成をある程度正確に計算することができたが、核子間に働く相互作用が相対論不変な形式になっておらず、座標変換によって核内の核子が定常状態から離脱する問題があった。この問題により、モデルでは加速器の構造材や遮へい材として用いられる鉄や鉛などの重い核は反応を起こす前に崩壊しやすくなり、実際の反応による崩壊とそうした疑似的崩壊が区別できなくなっていた。そこで、原子核内における核子間の相互作用を座標変換の相対論的効果に対して安定な形式に直す、反応終了時点のエネルギー保存を再計算により厳格にチェックするなどの改良を施した。この改良型JAMQMD(Ver.2.0)を用いてフラグメント生成 断面積を計算したところ、従来のJAMQMDと比較して正確に実験値を再現できることを確認した。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5059895