PHITSにおける低エネルギー電子・陽電子の飛跡構造計算機能
第60回放射線化学討論会
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- 開催年月日
- 2017年9月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- つくば
- 国・地域
- 日本
粒子・重イオン輸送計算コードPHITSは、任意の3次元体系中における放射線挙動を模擬することが可能である。しなしながら、PHITSは1keV以下の低エネルギー電子・陽電子を計算しないため、放射線化学の実験解析で必要となる2次電子やラジカルの空間分布をナノスケールで特定することは困難であった。この問題を解決するため、水の放射線分解の研究で実績のある飛跡構造計算コードをPHITSへ実装した。この改良により、PHITSにおいて、2次電子やラジカルの空間分布を理論予測可能となった。開発した機能を有するPHITSv2.93は平成29年6月に公開され、電子線によるDNA損傷の推定や、陽電子対消滅が関与する実験解析へ適用されることも期待される。