講演・口頭発表等

20および34MeV陽子入射反応における炭素, アルミニウム, 鉄および鉛原子核からの最前方方向の中性子生成二重微分断面積の測定

日本原子力学会2018年春の年会
  • 佐藤 大樹
  • ,
  • 岩元 洋介
  • ,
  • 小川 達彦

開催年月日
2018年3月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
吹田
国・地域
日本

数10MeV以上のエネルギー領域における陽子入射反応では標的原子核から放出される中性子は強い前方性を持つが、この中性子生成過程に対する理論模型および核データの精度検証は実験データの不足から不十分であった。本研究では、原子力機構が開発している汎用放射線輸送計算コードPHITSの精度向上に資するため、陽子入射反応における最前方方向(入射軸に対して0$^{\circ}$方向)の中性子生成二重微分断面積の系統的な実験データ整備を進めている。既に48, 63および78MeV陽子入射についてはデータを取得しており、今回はより低エネルギーの20および34MeV陽子入射に対して実験を行った。実験では、量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所TIARAのAVFサイクロトロンで供給される陽子ビームを$^{\rm nat}$C, $^{27}$Al, $^{\rm nat}$Feおよび$^{\rm nat}$Pb標的に入射させ、生成中性子を最前方方向に開いたコリメータを通して測定室に導き、シンチレーション検出器で測定した。また、PHITSでは、核内カスケード模型に基づくINCLおよび評価済み核データライブラリJENDL-4.0/HEにより、中性子生成の計算を行った。実験値と計算値との比較から、INCLはすべての反応に対して実験値よりも大きな値を与え、JENDL-4.0/HEは鉄の結果を良好に再現するがそれよりも重い標的核では小さな値を軽い標的核では大きな値を与えることが分かった。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5061557