ニュートリノ核反応モデルの開発とPHITSへの実装
日本原子力学会2018年春の年会
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- 開催年月日
- 2018年3月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 吹田
- 国・地域
- 日本
ニュートリノと核の反応は、ニュートリノ振動などの基礎研究、原子炉の遠隔監視といった技術への応用において、近年注目を集めている。一方、放射線輸送計算コードPHITSには、ニュートリノと物質中の原子核の反応を再現するモデルや核データは入っていないため、物質中を一切反応せずに透過していた。本研究では、特にニュートリノの検知で重要な$^{1}$Hの反電子ニュートリノによる逆$\beta$崩壊過程をモデル化した。反応断面積は200MeVの入射まで扱うことができるStrumiaらの系統式により決定し、反電子ニュートリノと$^{1}$Hは、陽電子と中性子に変換される。陽電子と中性子の運動量は、エネルギー保存と運動量保存、Strumiaの系統式に示された分散をもとに分布させた。原子炉の遠隔監視を模擬した計算の結果、3$\times$10$^{-20}$(count/$\beta$崩壊)のカウントが得られ、反応モデルが機能していることが確認できた。本モデルはPHITSを今後ニュートリノ基礎物理、ニュートリノ応用などに普及させるうえで重要な役割を果たすことが期待できる。