講演・口頭発表等

国際会議

多様な反応と反応後処理計算のための核分裂モデルFIFRELINの拡張

Joint International Conference on Supercomputing in Nuclear Applications + Monte Carlo 2020 (SNA + MC 2020)
  • 小川 達彦
  • ,
  • Litaize O.*
  • ,
  • Mancusi D.*
  • ,
  • Chebboubi A.*
  • ,
  • Serot O.*

開催年月日
2020年5月
記述言語
英語
会議種別
国・地域
日本

CEAが開発を進める核分裂計算コードFIFRELINは、自発核分裂や中性子入射によるファーストチャンス核分裂における観測量を計算する目的で開発された。本発表では、同コードに対して行った改良の研究成果について述べる。従来のFIFRELINは、中性子が標的核種に入射して複合核を形成した状態から核分裂の計算を開始していた。一方、改良したバージョンでは核分裂前の中性子放出や光子放出なども考慮し、競合過程として核分裂の確率を計算する。その結果、複合核は励起エネルギーを失った状態から核分裂を始めることになり、核分裂の終状態における観測量をより正確に評価できるようになった。また、FIFRELINの計算する即発中性子スペクトルのエネルギー分布について、放射線輸送計算コードPHITSでも読める形式で出力可能とした。これにより、核分裂に起因する即発中性子を輸送に対し、測定器の応答計算や遮蔽の性能評価などが可能となった。さらに、FIFRELINが出力する核分裂片の生成量について、燃焼計算コードDCHAIN-SP2014と互換性のある形式で出力するインタフェースも作成した。この改良により、FIFRELINが計算した核分裂生成物の質量・電荷分布をDCHAIN-SP2014で読み込み、任意の中性子照射履歴、冷却期間に対して放射能の量や種類を計算できる。以上のよう、FIFRELINはPHITSと高い親和性を持つようになり、その汎用性を高めた。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5067195