講演・口頭発表等

PHITSの飛跡構造解析モードの拡張

PHITSプロモーション動画公開記念オンラインセミナー
  • 小川 達彦
  • ,
  • 甲斐 健師
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  • 平田 悠歩
  • ,
  • 松谷 悠佑

開催年月日
2021年5月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
online
国・地域
日本

飛跡構造解析計算は、二次電子のエネルギーが数eV程度に下がるまでその運動を追跡することで、サブミクロンスケールからナノスケールにおける荷電粒子によるエネルギー付与を解析する計算技術である。従来の飛跡構造解析計算を行うコードは、標的物質の電磁波に対する応答、すなわち複素誘電関数を基に断面積を計算し、二次電子の生成や散乱を予測していた。そのため複素誘電関数が幅広い周波数帯で測定された物質しか扱うことができないという制限があった。そこで本研究ではその問題を解決するため、阻止能に関する系統式と二次電子のエネルギー分布に関する系統式を組み合わせることによって、任意物質に適用できる飛跡構造解析コードを開発した。本研究ではこの方法に基づいて飛跡構造解析コードを作成するために、阻止能はATIMAコードにより計算し、二次電子のエネルギー分布はRuddの系統式を使用した。そのコードで粒子の飛程や動径方向線量分布,確率的線量分布を計算したところ文献値の値をよく再現することが確認できた。このモデルは次期公開のPHITSに実装され、ユーザーに広く提供される予定である。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5071515