2019年12月
高速重イオンに照射された物質の入射表面付近におけるエネルギー付与深度分布
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B
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- 巻
- 461
- 号
- 開始ページ
- 272
- 終了ページ
- 275
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.1016/j.nimb.2019.10.010
物質中に局所的にエネルギーを付与する重イオン照射は、新しい材料改質方法の開発や放射線損傷原理の解明などを目的として広く用いられている。ここで、重イオンによって弾かれた電子($\delta$線)と、それがさらに散乱する二次電子のエネルギー付与について、イオンの進行と垂直方向に対する分布は研究されてきた。一方、重イオンの進行方向に対するエネルギー付与分布は一定と仮定されてきたが、電子は重イオンの進行方向に押されるため、表面付近はエネルギー付与が少ないと推定される。そこで、本研究では、飛跡構造解析コードRITRACKSを用いて、重イオン照射を受けた物質内での二次電子のエネルギー付与の空間分布を詳細に求めた。その結果、水中では表面2nmまでの領域はエネルギー付与が少なく、それ以降は一定にエネルギーが付与されることを明らかにした。この結果を電子密度でスケーリングすることで水以外にも適用可能と期待され、核分裂生成物により損傷を受ける原子炉の燃料被覆管や、重イオンビーム照射で改質を受ける材料物質において、表面1-2nmでは放射線の影響が深部より少なくなり得ることを示唆している。
- リンク情報
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- DOI
- https://doi.org/10.1016/j.nimb.2019.10.010
- URL
- https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5061807
- Scopus
- https://www.scopus.com/inward/record.uri?partnerID=HzOxMe3b&scp=85073946655&origin=inward
- Scopus Citedby
- https://www.scopus.com/inward/citedby.uri?partnerID=HzOxMe3b&scp=85073946655&origin=inward
- ID情報
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- DOI : 10.1016/j.nimb.2019.10.010
- ISSN : 0168-583X
- SCOPUS ID : 85073946655