2019年3月
20, 34, 48, 63および78MeV陽子入射による$^{\rm nat}$C, $^{27}$Al, $^{\rm nat}$Feおよび$^{\rm nat}$Pbの最前方方向における中性子生成二重微分断面積の測定
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A
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- 巻
- 920
- 号
- 開始ページ
- 22
- 終了ページ
- 36
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.1016/j.nima.2018.12.049
原子力機構が中心となり開発を進める粒子輸送計算コードPHITSは、加速器施設の遮蔽設計をはじめとして、多くの分野で利用されている。しかし、PHITSで用いられる核反応模型や核データは、陽子入射反応における最前方方向の中性子生成を適切に再現できないことが知られていた。そこで、本研究では、PHITSによる計算モデルの高精度化に資するため、20から78MeVの 陽子入射による$^{\rm nat}$C, $^{27}$Al, $^{\rm nat}$Feおよび$^{\rm nat}$Pbの最前方方向における中性子生成二重微分断面積の実験データを取得した。量子科学技術研究開発機構のイオン照射研究施設(TIARA)において、サイクロトンから供給される陽子と標的物質との核反応で生成した中性子のうち、最前方方向に開くコリメータを通したフラックスと運動エネルギーを測定した。実験結果をPHITSの計算結果と比較したところ、計算で用いるINCLおよびJENDL-4.0/HEは原子核の離散的なエネルギー準位間の遷移を考慮していないため、軽核で観測されたピーク構造を再現できないことが分かった。また、エネルギー積分断面積に対して、JENDL-4.0/HEは実験値とファクター2以内で一致するが、INCLは最大で6倍程度大きな値を与えることが分かった。
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- ID情報
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- DOI : 10.1016/j.nima.2018.12.049
- ISSN : 0168-9002
- eISSN : 1872-9576
- Web of Science ID : WOS:000456315500004