2018年8月
相対論的エネルギーの原子核-原子核衝突におけるクラスターの形成
Physical Review C
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- 巻
- 98
- 号
- 2
- 開始ページ
- 024611\_1
- 終了ページ
- 024611\_15
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.1103/PhysRevC.98.024611
GeVからTeV級の原子核-原子核衝突による粒子生成は、重イオン加速器の安全設計や宇宙線被ばく評価などで非常に重要で、様々な反応モデルが考案されてきた。しかし、従来のモデルは核子間に働く相互作用が座標系に依存しており、運動する入射核と静止しているターゲット核が同じ座標系に移行すると本来は安定な核が壊れる問題があった。ここでは、人為的なバイアスを計算アルゴリズムに導入することで安定性を補っていたが、その副作用として残留核の質量や粒子の放出量が過小評価される問題があった。そこで、核子間の相互作用を座標系に依存しないよう記述した反応モデルJAMQMDを構築した。このモデルでは、原子核-原子核衝突反応を再現した際に核は座標系によらず安定を保ち、重陽子を含む多様な残留核の形成と二次粒子の生成も実験値をよく再現することも確認できた。さらに、3年前に開発された原子核-原子核衝突反応モデルJQMD Ver.2は3AGeV以下の入射エネルギーでしか適用できなかったが、JAMQMDでは入射エネルギーの制限をなくすことができた。そのため、JAMQMDは、放射線防護研究のみならず基礎研究の解析や計画などにも有益なモデルといえる。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.1103/PhysRevC.98.024611
- ISSN : 2469-9985