論文

査読有り
2017年5月

最新版PHITSコードのベンチマーク研究

Journal of Nuclear Science and Technology
  • 岩元 洋介
  • ,
  • 佐藤 達彦
  • ,
  • 橋本 慎太郎
  • ,
  • 小川 達彦
  • ,
  • 古田 琢哉
  • ,
  • 安部 晋一郎
  • ,
  • 甲斐 健師
  • ,
  • 松田 規宏
  • ,
  • 細山田 龍二*
  • ,
  • 仁井田 浩二*

54
5
開始ページ
617
終了ページ
635
記述言語
英語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
DOI
10.1080/00223131.2017.1297742

粒子・重イオン輸送計算コードPHITSは、加速器遮蔽設計、医学物理計算など様々な目的で利用されている。本研究では、最新のPHITSバージョン2.88を用いて、核反応による粒子生成断面積、中性子輸送計算、電磁カスケード等に対する58ケースのベンチマーク計算を実施した。本稿では、このうち特徴的な結果を示した22のケースについて詳細に報告する。ベンチマーク計算の結果、100MeV以上の陽子、中性子、重イオン等の入射反応や電磁カスケードについては、PHITSによる計算結果は実験値を概ね再現した。一方、100MeV未満の粒子入射反応は、PHITSが設定を推奨している核内カスケードモデルINCL4の適用範囲外のエネルギー領域であるため、再現性が悪いことが確認された。また、100MeV以上の陽子入射反応のうち、核分裂成分の収率に対して、蒸発モデルGEMの高エネルギー核分裂過程の取り扱いの問題から実験値を再現しない場合があった。これらの課題は、評価済み核データJENDL4.0/HEをPHITSに組み込むこと等で改善していく予定である。以上のように、本研究でPHITSの様々な適用分野における計算精度を検証するとともに、今後の効率的な改善に重要な指針を得ることができた。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1080/00223131.2017.1297742
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5057563
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https://www.scopus.com/inward/citedby.uri?partnerID=HzOxMe3b&scp=85015708783&origin=inward
ID情報
  • DOI : 10.1080/00223131.2017.1297742
  • ISSN : 0022-3131
  • SCOPUS ID : 85015708783

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