2017年4月
中性子照射による反跳断面積スペクトルに関するモンテカルロ粒子輸送計算コードPHITSと核データ処理コードNJOYの比較研究
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B
- ,
- 巻
- 396
- 号
- 開始ページ
- 26
- 終了ページ
- 33
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.1016/j.nimb.2017.02.007
中性子照射による一次はじき出し原子(PKA)が金属中に欠陥を生成するため、PKAスペクトル計算の妥当性を検証することは放射線損傷の評価において重要である。本研究では、評価済核データライブラリーTENDL2015、ENDF/B-VII.1等と粒子・重イオン輸送計算コードPHITSのイベントジェネレータモード及び核データ処理コードNJOYとを組み合わせて、原子炉で使用される代表的な材料のPKAスペクトルを計算し、計算値の相互比較を行った。また、PKAスペクトルの積分値である熱値をPHITSを用いて計算し、核データライブラリーのACEファイルに格納されている値と比較した。その結果、全ての核種に対して、TENDL2015とPHITS及びNJOYを組み合わせて得られたPKAスペクトルの差は小さくなった。また、ENDF/B-VII.1の$^{72}$Ge, $^{75}$As, $^{89}$Y及び$^{109}$Agにおける反跳核のエネルギーと角度分布が正しくない、TENDL2015のACEファイルに格納されている熱値は、中性子捕獲反応の$\gamma$線データが正しくないため、本反応が起こるエネルギー領域で問題があること等が確認された。一方、PHITS+TENDL2015は全ての核種に対してPKAスペクトルや熱値を正しく計算できることがわかった。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.1016/j.nimb.2017.02.007
- ISSN : 0168-583X
- eISSN : 1872-9584
- Web of Science ID : WOS:000397698500005