2016年11月
汎用核共鳴蛍光散乱モデルの開発
Journal of Nuclear Science and Technology
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- 巻
- 53
- 号
- 11
- 開始ページ
- 1766
- 終了ページ
- 1773
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.1080/00223131.2016.1159148
核共鳴蛍光散乱反応(NRF)は、断面積ピークのエネルギーが同位体固有であることや、標準的な$\gamma$線検出器で測定が行えることなどから、核物質探知のための非破壊検査に対する応用が期待されている。現在のところNRFに関する研究では、逆コンプトン散乱を用いた単色光源の開発が進められており、実験技術は急速に進歩している。一方でシミュレーションはMCNP、Geant4などのコードで、これまでに測定された断面積を用いて、U-235など数核種のNRFを扱えるモデルが非公式版として開発されたものの、汎用的にNRFを再現できるモデルは開発されていない。本研究では、LiからBkまでの不安定核を含む1071核種について、ENSDF(Evaluated Nuclear Structure Data File)に掲載されている準位の情報と、原子核の準位間遷移に関する理論計算を組み合わせることで、汎用的にNRFを模擬するモデルEGNRF(ENSDF-based Generalized Nuclear Resonance Fluorescence model)を開発した。さらに、EGNRFを放射性核種生成や核物質探知のシミュレーションに応用する試験を行い、EGNRFの有効性を明らかにした。本モデルは、2015年12月25日に公開されたPHITS Ver.2.82に実装され、ユーザーに提供されている。
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- ID情報
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- DOI : 10.1080/00223131.2016.1159148
- ISSN : 0022-3131