論文

査読有り
2023年3月

クーロンスパイク法に基づく非晶質氷のイオンスパッタリングモデリング

Quantum Beam Science (Internet)
  • Constantini J.-M.*
  • ,
  • 小川 達彦

7
1
開始ページ
7\_1
終了ページ
7\_16
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.3390/qubs7010007

イオンなどを物体に照射し、物体の構成原子や分子を放出させるスパッタリングは、工学的に重要な技術として様々な分野で利用されている。このスパッタリングで放出される原子や分子の運動では、入射粒子の運動と真逆に放出される成分があることが実験的に知られていた。従来、照射効果の予測に標準的に用いられてきたサーマルスパイクモデルでは、伝導により平衡に達した熱統計集団が蒸発して粒子を放出する。ただし、この放出は等方的であり、指向性のある成分は説明が付かない。本研究では、イオン照射で発生する電離が飛跡に沿って直線状に配置され、それらの間に働く電気的斥力がイオン照射方向に指向性を持つことに着想を得て、スパッタリングの角度分布をイオン照射で発生する静電気力により表現した。具体的な手法として、イオン照射によって発生する電離を飛跡構造解析コードRITRACKSを使用して計算し、その電離で発生する陽イオンの幾何的配置から、静電気力によるイオンの運動を計算した。その結果、1MeVの陽子や1MeV/uの炭素イオンを水に照射した場合、照射と逆方向 にイオンの噴出が確認できた他、スパッタリングの放出収量も先行研究の実験と矛盾ない結果が得られた。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.3390/qubs7010007
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5068731
ID情報
  • DOI : 10.3390/qubs7010007
  • ISSN : 2412-382X

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