MISC

2018年

非一様弾性場・非定住培養における間葉系幹細胞のAPC発現調節

生体医工学
  • 木戸秋 悟
  • ,
  • 河野 健
  • ,
  • 森山 幸祐
  • ,
  • 久保木 タッサニーヤー
  • ,
  • 澤田 留美
  • ,
  • 辻 ゆきえ
  • ,
  • 江端 宏之
  • ,
  • 佐々木 沙織
  • ,
  • 山本 安希
  • ,
  • 田中 和紗

56
0
開始ページ
S36
終了ページ
S36
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.11239/jsmbe.Annual56.S36
出版者・発行元
公益社団法人 日本生体医工学会

<p>間葉系幹細胞(MSC)の系統偏向は培養力学場の強度と経験時間を履歴に影響を受けるため、その品質保証においては幹細胞性を偏向させない培養力学場設計が重要となる。我々はハイドロゲル表面に導入した硬・軟領域間でMSCを非定住に運動させることで、力学場履歴の蓄積を回避し特定の分化系統への偏向をブロックする標準状態培養系の構築を試みてきた。今回、硬・軟それぞれの領域の弾性率絶対値の厳密な定義、及び各領域でのMSCの滞在時間の厳密な均等化のために、以下の二点の設計を行った。1)YAP/TAZおよびRUNX2の核移行弾性率閾値が10kPa付近にあることを決定し、非定住運動の過程でこれらの転写副因子の核内外の移行を繰り返させるため、軟領域を3kPa、硬領域を30kPaとした。2) 曲率半径50μm以下の硬軟凸境界で生じる軟領域への負のDurotaxisを活用して、完全非定住運動を確保するパターニングゲル(Pゲル)を設計した。作製したPゲル上でMSCを4日間培養後、遺伝子マイクロアレイ解析を行なったところ、特にがん抑制遺伝子の一種であるAPCの発現が強く亢進していた。APCはWntシグナリングとアクチン骨格の発達制御の双方に関与することが知られており、細胞増殖・分化応答と運動力学とを繋ぐ新たなメカノトランスデューサーとしての可能性が示唆された。</p>

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11239/jsmbe.Annual56.S36
CiNii Research
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390001288070288256?lang=ja
URL
http://ci.nii.ac.jp/naid/130007483930
ID情報
  • DOI : 10.11239/jsmbe.Annual56.S36
  • ISSN : 1347-443X
  • eISSN : 1881-4379
  • CiNii Articles ID : 130007483930
  • identifiers.cinii_nr_id : 9000398149572
  • CiNii Research ID : 1390001288070288256

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