2017年4月 - 2021年3月
近代東アジアにおける「書壇」形成の地域比較研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究は、近代東アジアにおいて組織化が活発になった「書壇」に着目し、日本・中国・朝鮮(韓国)という三地域の比較に基づく観点別分析を通して、その形成過程の構造的な跡付けを目的とするものである。2018年度は、昨年度における研究代表者および研究分担者各位の個別研究の成果を相互に共有すべく、シンポジウム「近代東アジアの書壇」を開催した。このシンポジウムでは、外部講師として喜多恵美子氏(大谷大学教授)を招聘し、基調講演を賜るとともに、喜多氏を交え、各研究分担者が日・中・朝それぞれの書壇形成の実際について、議論を交わした。
また、2018年度は、昨年度に引き続き、研究代表者・分担者それぞれが、特定の書壇やその中心的書人に焦点を絞り、個別に調査研究を進めた。代表者・菅野智明と分担者・髙橋佑太は、近代上海を代表する二つの社団、豫園書画善会と上海書画研究会(後の海上題襟館金石書画会)に着目し、菅野はその構成員の重なりを分析し、髙橋は章程(会則)や潤例の分析を中心に進めた。分担者・髙橋利郎は、昨年が明治150年の年にあたることに因み、明治期の書壇と主要書人を概括的に眺望し、その成果を著作にまとめた。分担者・矢野千載は、画家・書家・書道資料収集家として著名な中村不折に着目しつつ、彼の足跡から日本の書壇形成の特質の一側面を明らかにした。分担者・下田章平は、大正期の収蔵家である菊池惺堂を例に、大正中葉頃から惺堂が「書苑を中心とする収蔵集団」から「犬養毅を中心とする収蔵集団」に傾倒したことを明らかにした。分担者・金貴粉は、植民地期の朝鮮に設立した書画協会の動向について、金玉均、呉世昌といった主要書画家の活動をもとに跡付けた。
また、2018年度は、昨年度に引き続き、研究代表者・分担者それぞれが、特定の書壇やその中心的書人に焦点を絞り、個別に調査研究を進めた。代表者・菅野智明と分担者・髙橋佑太は、近代上海を代表する二つの社団、豫園書画善会と上海書画研究会(後の海上題襟館金石書画会)に着目し、菅野はその構成員の重なりを分析し、髙橋は章程(会則)や潤例の分析を中心に進めた。分担者・髙橋利郎は、昨年が明治150年の年にあたることに因み、明治期の書壇と主要書人を概括的に眺望し、その成果を著作にまとめた。分担者・矢野千載は、画家・書家・書道資料収集家として著名な中村不折に着目しつつ、彼の足跡から日本の書壇形成の特質の一側面を明らかにした。分担者・下田章平は、大正期の収蔵家である菊池惺堂を例に、大正中葉頃から惺堂が「書苑を中心とする収蔵集団」から「犬養毅を中心とする収蔵集団」に傾倒したことを明らかにした。分担者・金貴粉は、植民地期の朝鮮に設立した書画協会の動向について、金玉均、呉世昌といった主要書画家の活動をもとに跡付けた。
- ID情報
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- 課題番号 : 17H02291
- 体系的課題番号 : JP17H02291
この研究課題の成果一覧
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論文
4-
書学書道史研究 (31) 55-68 2021年10月 査読有り筆頭著者
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大学書道研究 (14) 17-28 2021年3月 査読有り筆頭著者
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相模国文 (48) 63-96 2021年3月 筆頭著者
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相模国文 47 72-114 2020年3月 筆頭著者
MISC
1-
『韓国朝鮮の文化と社会』 19 175-185 2020年10月 査読有り
講演・口頭発表等
8-
書芸術研究会4回例会 2021年9月26日
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国際シンポジウム「近代書壇の誕生ー東アジア三地域の比較からー」(近代東アジア書壇研究プロジェクト) 2021年8月21日
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国際シンポジウム 近代書壇の誕生―東アジア三地域の比較から― 2021年8月21日
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国際シンポジウム 近代書壇の誕生―東アジア三地域の比較から― 2021年8月21日
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書論書道史研究会第31回研究会 2021年3月27日
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書芸術研究会第1回例会 2021年3月21日
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書論書道史研究会第26回研究会 2020年3月28日
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シンポジウム 近代東アジアの書壇 2018年9月8日