共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

ネット社会におけるインバウンド観光客・定住者を意識した文化伝達の言語表現

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K11849
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

今年度調査は、4種類(5回)を実施した。
5月には2017年の JR日光日光駅から神橋までの沿道における言語景観調査結果をもとに、中央大学内の外国人留学生40名を対象とし、日光の英語・日本語で表記された言語景観評価を実施した。その結果、正確な翻訳が必ずしも被験者の好感度が高いとは限らず、観光客に対して丁寧な説明があるものを評価する傾向が見られた。英語理解度と表記評価には相関は見られなかった一方で「旅行が好きか」という問いと「満足度」は r=0.409と正の相関が見られた.発信者だけでなく受信者の意欲も表記評価の結果に関わった。また、英語をあまり理解しない留学生が併記された写真やイラストで楽しんだ一方で、英語を母語とする学生の中には誤訳が多い掲示に関しては修正を始めたり、部分的な英訳にストレスを感じたりした者もあった。7月、11月の2回、日光におけるJR日光駅から神橋の継続言語景観調査を実施し、言語表記の変化を観察した。11月には、日光の沿道調査に準ずる形で、神戸における言語景観調査を実施した。日光同様に公共掲示におけるアルファベット地名表記の不統一が見られた一方、神戸には日光と比較してアルファベットのみの表記が多いなど、地域の特徴が見られた。なお、これら調査時に見られた訳しにくい語の翻訳、誤訳に関するWebアンケートアンケートも実施した。
研究成果としては、6月には、第143回次世代大学研究会において「日光の言語景観」を発表し、9月には日本認知科学会第35回全国大会におけるオーガナイズドセッション「食文化の固有性・共通性から考える翻訳可能性」の中で、沿道に展開される飲食店、和菓子屋など和食を扱う箇所に注目した企画を行なった。また、12月には科研費合同研究集会を早稲田大学において実施した。2019年3月には電子情報通信学会思考と言語研究会において発表を行った。

ID情報
  • 課題番号 : 18K11849

この研究課題の成果一覧

論文

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メディア報道

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