共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

日本人の情報行動、その四半世紀にわたる変遷と超高齢社会における課題の検討

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
18H03645
配分額
(総額)
34,060,000円
(直接経費)
26,200,000円
(間接経費)
7,860,000円
資金種別
競争的資金

2018年度は、まず、先行研究の検討、既存調査の再分析、理論的検討を行なった後、(1)60歳以上の高齢者を対象とするグループ・インタビュー調査と(2)40歳から79歳までを対象に、インターネット利用を中心とする情報行動に関する質問票調査を実施した。
(1)は60代70代男女各2グループ、1グループ各6名、計4グループ24名を対象に、テレビ接触状況、インターネット利用の実態、ネットを通した動画視聴、ネット利用の功罪等についてインタビューした。インタビュー対象とした24名はほとんどがネットを積極的に利用しており、退職後も趣味や地域活動にいそしむ人が多かった。ただし、対象者は、いずれも東京都文京区在住者で必ずしも一般的な60代以上を代表する人たちではないことは考慮しなければならない。
(2)は、中央調査社の保有するマスターサンプルから、全国の40歳~79歳の男女1600人をランダムに抽出し、各種情報行動について質問したものである(有効回収票827)。70代について結果を見れば、70代のネット利用者は71.2%とかなり高率であるが、スマートフォン利用者は28.3%であった。また、ネット利用といっても大半がモバイル機器を通したメールだけの利用者であり、サイト・アプリの利用者(PC通しも含む)は43.4%にとどまり、いまだに年代的なデジタルでバイトが完全に解消したとはいえない状況であることが判明した。メッセージングアプリのLINEの利用者も、70代は21.8%にとどまるなど高齢者への普及は十分でなく、ネットショッピングの利用者も70代は20.3%にとどまる。そうした背景にコスト的な問題や周囲にサポートする人がいないという状況や、ネットにまつわるトラブルに大きな不安をいだいているという現状があった。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H03645/
ID情報
  • 課題番号 : 18H03645

この研究課題の成果一覧

論文

  2

書籍等出版物

  2
  • 橋元, 良明 (担当:分担執筆, 範囲:地域情報の活用)
    東京大学出版会 2021年8月 (ISBN: 9784130502047)
  • 橋元良明, 北村智, 森康俊, 木村忠正, 辻大介, 片桐恵子, 大野志郎, 河井大介, 小笠原盛浩, 是永論 (担当:分担執筆, 範囲:1.1 / 1.2 / 2.3.1 / 2.3.2 / 5)
    東京大学出版会 2021年8月 (ISBN: 4130502042)