共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

大都市圏における地方税の低徴収率地域の空間パターンと行財政運営に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
21J21401
体系的課題番号
JP21J21401
配分額
(総額)
1,300,000円
(直接経費)
1,300,000円
(間接経費)
0円

2021年度(第1年度)は,主に(1)地方税の低徴収率地域として検出された自治体に対する聞取り調査および資料収集,(2)東京大都市圏の自治体に対する財政状況のアンケート調査および聞取り調査を実施した.
(1)については,GISを用いた空間分析により地方税の低徴収率地域として検出された,東京大都市圏の自治体を対象に聞取り調査および資料収集を行い,社会経済的要因の地域差が自治体の徴税施策に与える影響を検討した.その結果,住民の所得や人口流動率などの地域差と,自治体が政策課題を認識する契機や時期の差異が政策的対応の地域差を規定していることが明らかになった.成果は論文にまとめ,学術雑誌に投稿し受理された.
(2)については,研究全体の基礎となる知見を得るために,東京大都市圏の自治体を対象としたアンケート調査を実施し,134市町村から現在の財政状況に対する認識や地方税の税収確保策などに関する回答を得た.その結果,東京大都市圏の内部において,財政状況への認識や税収確保に向けた政策的対応に地域差があること,都心から40km圏内の自治体は,税収確保のために都市開発よりも徴収対策を強化する傾向があることなどが明らかになった.得られた知見の一部については国内学会で発表した.また,本調査の結果を踏まえて,効果的な地方税収確保策と自治体間連携の検討に向けて,GISを用いた空間分析により,アンケート結果と統計データを比較検討した.成果は論文にまとめ,学術雑誌に投稿中である.
さらに,アンケート調査をきっかけに,横浜市財政局に対する聞取り調査および情報交換を実施した.個人市民税の減少への懸念や持続的な財政運営に向けた施策が明らかになり,その内容は横浜市職員向けの財政広報誌に掲載された.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21J21401
ID情報
  • 課題番号 : 21J21401
  • 体系的課題番号 : JP21J21401

この研究課題の成果一覧

論文

  6

講演・口頭発表等

  7