講演・口頭発表等

2018年

fNIRSを用いたhyperscanningによる協調時の脳活動の検討

生体医工学
  • 谷口 尚
  • ,
  • 日和 悟
  • ,
  • 廣安 知之

記述言語
日本語
会議種別

<p>価値観が多様化する現代,良好な対人関係を維持するために,他者の気持ちを他者の視点に立って考える協調性が重要となる.ヒトの協調時における状態の解明については、脳神経科学の側面からも多くの研究が行われている.その際に利用されるのがfMRIやfNIRS等の非侵襲な脳機能イメージング装置による脳活動計測である.しかし,先行研究では単独脳やコンピュータを相手にした実験が多く,より現実に即した人対人の動的な脳活動を計測する実験は少ない.それに対して近年,hyperscanningと呼ばれる複数脳を対象とし同時計測する技法が,社会的相互作用に関わる神経基盤の解明に寄与するとして注目されている.ヒトの協調時における状態推定においても,hyperscanningによる脳機能解析が有用であり,本研究では基礎的な実験を行った.具体的には,実験において二者間の行動同期時における脳活動を検討するためにfNIRSを用いたhyperscanningによる同期タッピング課題を行った.脳活動の時間的同期を評価する指標としてペア間の同じ脳領域の脳血流変化量に対して相関係数を算出した.その結果,前頭前野背外側部と内側部に関して同期課題時の脳血流変化量の相関が安静時に対して増加した.これらの領域は相手の心の状態の想定と理解に関連することが報告されており,協調時にこれらの領域の脳活動が同期することが示唆された.さらに脳活動の強度と位相の違いを考慮し検討していく必要がある.</p>

リンク情報
URL
http://ci.nii.ac.jp/naid/130007483715