2021年1月
手指・手部多重骨折に対するIchi-Fixator Systemの使用経験
日本手外科学会雑誌
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- 巻
- 37
- 号
- 3
- 開始ページ
- 316
- 終了ページ
- 320
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本手外科学会
多重骨折とは1度の外傷で2ヶ所以上に骨折が及ぶ病態である.適切な治療が行われないと関節拘縮など重大な手指機能障害を残す可能性のある手指・手部の多重骨折11例24骨折に対して本邦初の鋼線締結型創外固定Ichi-Fixator System(IFS)を用いて手術加療を行った.11例のうち2例を除き,術翌日より外固定を行わずに手指可動域訓練を開始した.最終経過観察時の握力は健側比84.1%,Toatal Active Motion 218度,QuickDASH 7.6,Visual Analog Scale 0.6と概ね良好な成績が得られた.IFS最大の利点は,従来の創外固定にはない締結器に内蔵されたネジによる仮固定機能であり,これにより骨折部に対する牽引力を微調整可能である.IFSは鋼線固定単独よりも固定強度が高く,従来の創外固定器よりコンパクトで,手部の隣接骨折部や,同指複数関節内骨折部を同時に整復固定が可能な新しい治療法である.(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 2185-4092
- eISSN : 2188-1820
- 医中誌Web ID : V616450023