共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

長い神経欠損に対するハイブリット型人工神経を用いた生体内再生治療

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K09491
体系的課題番号
JP18K09491
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本年度は2018年に引き続き実験モデルの作成に主眼を置き研究を遂行した。再生してきた軸索の伸長を評価するのに遺伝子改変により神経組織が蛍光発色するマウスを用いる評価法は、末梢神経再生研究において重要な評価法である。共同研究者である林がこれまで末梢神経再生研究で使用していた2種類の蛍光発色マウス、すべての神経が発色するThy1-YFP16 マウスとシュワン細胞が幼若化すると蛍光発色するNestin-GFP マウスを本実験でも使用するために、予め受精卵として凍結保存していたものを孵化させ使用した。本研究の大きな特徴はマウスを吸入麻酔下で生きたまま観察する“Live imaging”が神経再生を評価する上で重要な評価法の一つであり,これら遺伝子改変マウスが実際に発色するかを蛍光実体顕微鏡にて確認した。次にシュワン細胞充填型人工神経を作成するために,ドナーサイトとなるマウス坐骨神経に損傷を加える方法を確立した。具体的にはThy1-YFP16マウスの坐骨神経を顕微鏡下で微小血管外科操作セットを用いて鋭的に損傷させ1週間後に旺盛な神経発芽を確認した。本実験系では上記損傷部位に人工神経を端側神経縫合することで神経発芽を促しシュワン細胞を人工神経内へ誘導することでハイブリッド型人工神経を作成することがモデル作成の過程での重要な手技となる。現在、実際に使用する人工神経と同程度の弾性を有する小児輸液用のカテーテルを人工神経に見立てて端側神経縫合を数回練習した後にモデル作成を開始している。やや手技は煩雑ではあるが,端側神経縫合は可能であり既に一定数のモデル作成が完了している。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K09491
ID情報
  • 課題番号 : 18K09491
  • 体系的課題番号 : JP18K09491