共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2022年3月

散逸型方程式における特異非線形構造の解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
17H01095
体系的課題番号
JP17H01095
配分額
(総額)
43,940,000円
(直接経費)
33,800,000円
(間接経費)
10,140,000円

平成30年度は、非線形楕円型および特異拡散方程式、および関連する常微分方程式を中心に研究を進め、以下のような成果を得た。
楕円型偏微分方程式については、非等方的 Finsler ノルムを含む種々の Hardy 型不等式及び Kato 不等式(トレース Hardy 不等式)、monomial weight を持つ対数型 Sobolev 不等式及び関連する変分問題に関連した方程式、divergence-free または curl-free ベクトル場に対する Hardy-Leray 不等式の最良定数について成果が得られた。また、変動指数をもつソボレフ埋め込みのコンパクト性、ソボレフ臨界指数に達する変動指数をもつ半線型放物型方程式の時間大域解の最大値ノルムの時間大域的有界性に関して大きな進展があった。
熱方程式の解の対数凸性の精密化した凸性概念を導入し、熱方程式が保存する最も強い凸性の同定に成功した。ポテンシャル項付き半線形熱方程式の時間大域可解性に関する藤田指数の決定に関して成果が得られた。対数拡散方程式と反応項を結合した系に対し、進行波の存在と安定性に関する問題を解決した。このほか、放物型偏微分方程式については、単調成長を拘束条件に持つ勾配流の例として非斉次項付き拡散方程式に対応する問題の可解性や解の正則性・比較原理・長時間挙動を研究し、分数冪ラプラシアンの境界値問題に対する解の正則性理論や一般化された勾配流に対する変分原理について大きな進展があった。
常微分方程式については、散逸型方程式の定常問題である Moore-Nehari 方程式の2点境界値問題について研究が進んだ。その問題の正値対称解から正値非対称解が分岐する現象を発見することができ、さらに分岐が起こる瞬間のパラメータの値を厳密に求めた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H01095
ID情報
  • 課題番号 : 17H01095
  • 体系的課題番号 : JP17H01095

この研究課題の成果一覧

論文

  5