共同研究・競争的資金等の研究課題

2014年8月 - 2016年3月

中世語資料としての抄物の再評価―両足院蔵「杜詩抄」の言語と資料の研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 研究活動スタート支援
  • 山本 佐和子

課題番号
26884027
配分額
(総額)
1,950,000円
(直接経費)
1,500,000円
(間接経費)
450,000円

本研究では、中世室町期の注釈書の一種「抄物(しょうもの)」が、日本語史の資料としてどのような可能性を持っているかを、未調査の抄物における新規の言語事象を検証することで示した。
建仁寺両足院蔵「杜詩抄」(天正9(1581)年書写)では、繋辞「ヂャ」を用いた引用表現や、丁寧語「候」の濁音形「ゾウ」(に+候、繋辞)が多用されている。「ヂャ」と「ゾウ」は共に、「杜詩抄」が引く先行の抄物の一つで見られ、注釈内容で使い分けられている。抄物の元となる講義で、話題に応じた口調の切り換え(スタイルシフト)が行われていたことを反映したものと考えられ、抄物の新たな資料的価値を示す事象である。