論文

査読有り
2018年10月

福島原子力発電所事故に伴い生じた除去土壌の道路盛土への再利用に係る線量評価

Health Physics
  • 高井 静霞
  • ,
  • 澤口 拓磨
  • ,
  • 武田 聖司

115
4
開始ページ
439
終了ページ
447
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.1097/HP.0000000000000904

福島原子力発電所後の除染活動に伴い、放射性セシウムで汚染された大量の土壌が福島県内で保管されている。環境省は除去土壌の最終処分の実現のために、低レベルの除去土壌を再生資材として再生利用することで処分量を低減させる方針を示している。再生利用は土木構造物に限定され、管理主体や責任体制が明確な公共事業等に限定して実施される。しかしながら、これまで除去土壌の再生利用が実際に行われた事例や安全評価はなかった。そこで本研究では、環境省による再生利用に係るガイドライン作成に貢献するため、除去土壌の道路盛土への再生利用に係る安全評価を実施した。はじめに、建設時・供用時に作業者・公衆に生じる追加被ばく線量を評価した。評価の結果、追加被ばく線量が1mSv/y以下となる再生利用可能な再生資材の放射性セシウム濃度は6,000Bq/kgと算出された。また、供用時の公衆に対する追加被ばく線量を10$\mu$Sv/y以下に抑えるためには、40cm以上の保護工(土壌)が必要であることがわかった。さらに再生利用可能な放射性セシウム濃度に対し、自然災害により道路盛土が破壊した場合でも追加被ばく線量が1mSv/yを下回ることを確認した。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1097/HP.0000000000000904
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5062202
ID情報
  • DOI : 10.1097/HP.0000000000000904
  • ISSN : 0017-9078

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