共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

微細な地形が無脊椎動物の浮遊幼生および着底個体へ及ぼす影響の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K05747
体系的課題番号
JP21K05747
配分額
(総額)
2,210,000円
(直接経費)
1,700,000円
(間接経費)
510,000円

海産無脊椎動物は移動能力の乏しい底生種が多く、発生初期に浮遊幼生期をもつ種の場合はこの時期の空間的な移動が個体群の形成維持に大きく影響するが、細かいスケールでの個体密度の分布の違いを本研究課題で特定することを目指す。研究実施初年度として、本年度は浮遊幼生と着底直後のマナマコの主に深度選択性と、波高との関係について調べた。京都府舞鶴湾に流入する伊佐津川河口から沖合に向かって測点を複数設定し、船外機船と開閉式プランクトンネットを使用して浮遊幼生の鉛直曳き採集を行った。また、河川水の影響を評価するため、測点付近の養殖筏に水温塩分計と電磁流速計を設置し、表層の水温塩分並びに表層と底層の流向流速の経時的データを回収した。着底直後のマナマコの深度分布について、着底板を水深別・波高(波当たり)の強さ別に設置し回収した。次年度の藻場の影響に関する調査のため、沿岸部で船外機船でアプローチできる場所を現地に赴き選定した。採集した浮遊幼生の種の同定を行うため、個体はエタノール固定または冷凍保存し、日本海中部(若狭湾)の近海に生息するナマコ類のDDBJに登録されたDNA配列データ、及びサンプルからDNAを抽出したのちにPCRで増幅しシーケンス解析を実施したDNA配列をMEGAX上のClustalWでアライメントした。種判別を実施できる領域の探索及び種特異的プライマー作成を検討し、ミトコンドリアDNAのCOI遺伝子の部分領域が種判別を行うのに十分な変異がみられるとわかった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K05747
ID情報
  • 課題番号 : 21K05747
  • 体系的課題番号 : JP21K05747