2018年4月 - 2021年3月
弱者を対象とする医学系研究に求められる倫理的配慮に関する研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本年度は、前年度に収集した脆弱性に関する研究倫理学の文献を検討し、脆弱性概念をめぐる論争の状況を整理し、日本においてどのような脆弱性の捉え方が望ましいかについて考察し、その成果を第31回日本生命倫理学会年次大会において口頭で発表し、論文化して同学会の学会誌『生命倫理』に投稿した。当該論文では、脆弱性概念をめぐる論争そのものを整理したほか、論争が生じた歴史的背景や、日本における脆弱性に関する研究倫理教育の現状についても考察した。その準備過程として、7月12日に第3回科研研究会を開催したほか、5月20日および8月5日に国立循環器病研究センター医学倫理研究部で研究倫理の研究者らと議論を行った。
また、研究分担者の佐藤は、第44回社会思想史学会大会において「ヴァルネラビリティの思想」と題してセッションを開催し、佐藤がフェミニスト倫理学における脆弱性概念について、研究代表者の川崎が医学研究倫理における脆弱性概念の歴史についてそれぞれ口頭発表を行った。質疑応答ではフェミニスト哲学や科学史の研究者と有意義な議論が交わされた。
川崎が編者として、佐藤が執筆者として関与したフェミニスト現象学の入門書はほぼ完成したが、その中でも脆弱性に関する考察が含まれている。また、脆弱性に関するレヴィナスと研究倫理の関係に関する論考が『レヴィナス研究』第1号に掲載された。
研究分担者の大北が脆弱性との関連も検討しつつ筆頭著者として執筆したHPVワクチン論争をめぐる英語論文がHealth Policy誌に掲載された。
冒頭に述べた総説論文をはじめとして、概ね計画に沿って研究を遂行し、成果をある程度公にすることができた。
また、研究分担者の佐藤は、第44回社会思想史学会大会において「ヴァルネラビリティの思想」と題してセッションを開催し、佐藤がフェミニスト倫理学における脆弱性概念について、研究代表者の川崎が医学研究倫理における脆弱性概念の歴史についてそれぞれ口頭発表を行った。質疑応答ではフェミニスト哲学や科学史の研究者と有意義な議論が交わされた。
川崎が編者として、佐藤が執筆者として関与したフェミニスト現象学の入門書はほぼ完成したが、その中でも脆弱性に関する考察が含まれている。また、脆弱性に関するレヴィナスと研究倫理の関係に関する論考が『レヴィナス研究』第1号に掲載された。
研究分担者の大北が脆弱性との関連も検討しつつ筆頭著者として執筆したHPVワクチン論争をめぐる英語論文がHealth Policy誌に掲載された。
冒頭に述べた総説論文をはじめとして、概ね計画に沿って研究を遂行し、成果をある程度公にすることができた。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K09992
- 体系的課題番号 : JP18K09992
この研究課題の成果一覧
絞り込み
受賞
1-
2020年12月
論文
4-
生命倫理 32(1) 39-48 2022年9月 査読有り
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現象学年報 36 3-13 2020年11月 招待有り筆頭著者
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医学哲学医学倫理 (38) 11-19 2020年10月 査読有り筆頭著者最終著者責任著者
-
生命倫理 30(1) 78-85 2020年9月 査読有り筆頭著者
MISC
1-
レヴィナス研究 4 10-11 2022年9月 招待有り筆頭著者
講演・口頭発表等
5-
レヴィナス協会第4回大会 2021年9月12日 招待有り
-
第32回日本生命倫理学会年次大会 2020年12月6日 招待有り
-
第15回水俣病事件研究交流集会 2020年1月12日
-
第31回日本生命倫理学会年次大会 2019年12月8日
-
社会思想史学会 2019年10月26日