2020年4月
非緊張性多汗有症者の就労状況および交代制勤務との関連
発汗学
- 巻
- 27
- 号
- 1
- 開始ページ
- 29
- 終了ページ
- 31
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本発汗学会
全国10万人の研究協力者からなるがんの日本多施設共同コーホート研究(J-MICC Study)のうち、名古屋大学の研究分担フィールドである大幸研究の参加者を対象に、就労の有無および交代勤務経験の有無等の背景要因と温熱性・運動性以外の多汗との関連について検討した。解析対象者3512名のうち、対面調査の参加者は2784名(男性750名、女性2034名)、郵送調査の参加者は728名(男性216名、女性512名)であった。分析の結果、暑い時や運動した時、緊張した時以外でも発汗している常時多汗の状態(非緊張性多汗)は、現在交代制勤務に就いていることと有意な相関があることが認められたが、その関連は男性のみに認められるものであった。また、発汗部位が全身におよぶ対象者を除外すると、有意な相関は認められなくなった。就労時間のシフトにより概日リズムに乱れが生じ、それに起因する自律神経の乱れが多汗症状につながっていることが示唆された。
- ID情報
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- ISSN : 1340-4423
- 医中誌Web ID : 2020263887