MISC

2010年4月

健常成人における熟成にんにくの血管内皮機能へ及ぼす影響

日本臨床生理学会雑誌
  • 宮田 聖子
  • ,
  • 野田 明子
  • ,
  • 永井 万由佳
  • ,
  • 大嶽 正文
  • ,
  • 上山 純
  • ,
  • 古池 保雄

40
2
開始ページ
103
終了ページ
108
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本臨床生理学会

動物実験において、熟成にんにくは、酸化ストレスおよびNO分泌障害を抑制することが報告されている。血流依存性血管拡張反応(flow mediated endothelium-dependent dilation;FMD)、上腕動脈-足首動脈間脈波速度(brachial-ankle pulse wave velosity;baPWV)および内中膜複合体厚(intima-media thickness;IMT)は、動脈硬化の指標として認められてきている。熟成にんにくが血管内皮機能に及ぼす急性効果について検討した。基礎疾患のない健常成人12例(年齢25.1±10.7歳)において、熟成にんにく摂取前および摂取1時間後に、血圧、%FMD、baPWV、IMT、左心機能および血漿NOxを評価した。熟成にんにく摂取後に%FMDは有意に増大した。一方、血圧、baPWV、IMTおよび左心機能は、熟成にんにくの摂取前後で、有意な差を示さなかった。対象4例における血漿NOx濃度は、熟成にんにく摂取後に増加傾向を示した。熟成にんにく摂取は、血管内皮機能を向上させ、血管内皮機能障害予防に有効である可能性が考えられた。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0286-7052
  • 医中誌Web ID : 2010335293

エクスポート
BibTeX RIS