共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

高機能細胞治療薬E-MNCを用いた放射線性顎骨壊死の治療法の確立

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K10143
体系的課題番号
JP20K10143
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

放射線性顎骨壊死モデルの作成:8週齢のマウスを用いて検討を行なった。2020年度に、ガンマ線の照射を12Gy単回で行うことにより、マウスは体重減少することなしに存命しうることが確認された。なお、20Gyでは早期に死亡し、15Gyでも半数が早期に、残りの半数も数週間以内に死亡した。ガンマ線を照射後に定期的にマイクロCTを撮影することで顎骨壊死の状態を評価したところ、長期間経過しても明らかな骨は改造が確認できなかった。ガンマ線の照射後に抜歯処置を行い、より臨床に近い状況を再現することで放射線性顎骨壊死モデルの確立を試みたが、抜歯処置の再現性を得ることが困難であった。そこで、臼歯部を破壊し露髄させることで顎骨に感染経路を作成することとした。ガンマ線照直後および1週後に露髄処置を行い、マイクロCTで骨の状態を確認したところ、ガンマ線照射後1週間経過時に露髄させた群で顎骨破壊像が確認された。同じ時期の組織所見では、顎骨内に骨細胞の存在しないlacunaが多数認められ、顎骨壊死が確認された。細胞治療による顎骨の炎症所見がマイクロCTでは判別が困難であるため、骨シンチによる検討を行なった。ガンマ線を照射し、1週間後に露髄処置を行なった。確実に露髄しているかは処置後に撮影したマイクロCTで確認を行なった。ガンマ線照射後8週間、16週間後に骨シンチの撮影を行ったところ、8週では露髄処置を行った左側下顎臼歯部で集積が抜けたような像が確認され、16週では同部位がさらに明確に描出されていることが確認された。これらの結果から、ガンマ線照射から1週間後に露髄処置を行い、照射後8週目の状態を既に放射線性顎骨壊死モデルとして決定した。
高機能細胞治療薬(E-MNC)の培養:同系統のマウスの末梢血からE-MNCを抽出し、上記の放射線性顎骨壊死モデルの尾静脈から投与できる細胞数を検討中。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K10143
ID情報
  • 課題番号 : 20K10143
  • 体系的課題番号 : JP20K10143