MISC

2010年

共役リノレン酸含有構造油脂に対する各種フェノール性化合物の酸化防止能の比較

日本栄養・食糧学会誌
  • 閑田 文人
  • ,
  • 原 節子

63
5
開始ページ
219
終了ページ
226
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.4327/jsnfs.63.219
出版者・発行元
公益社団法人 日本栄養・食糧学会

本研究では酵素的アシル基変換反応によりオリーブ油に共役リノレン酸 (CLN) またはα-リノレン酸 (LN) を約30%組み込んだ共役型油脂 (CLN-TAG) と非共役型油脂 (LN-TAG) をそれぞれ調製し, それらに対するフェノール性化合物の酸化防止能について比較検討を行った。その結果, CLN-TAGに対しトコフェロール, セサモール, エピガロカテキンガレート (EGCG), ケルセチンの4種の水素ラジカル供与型の酸化防止剤は酸化防止効果を示し, それらの効果はDPPHラジカル消去能に依存することが判明した。EGCGは酸化安定性試験 (90ºC) において4種の中で最も高い酸化防止効果を示したので最適添加量を検討した結果, CLN-TAGとLN-TAGに対し3,600 ppm (DPPHラジカル消去能Toc添加量換算で20,000 ppm) 添加したとき, 酸化安定性がいずれも約6倍向上した。CLN-TAGについては添加量に伴い酸化防止効果が向上し, 5,500 ppm (DPPHラジカル消去能Toc添加量換算で30,000 ppm) 添加すると約8倍まで酸化安定性が向上した。しかし, LN-TAGに対しては3,600 ppm以上添加しても酸化安定性の大きな向上は見られなかった。以上よりCLN-TAGを効果的に酸化防止するためには脂溶性で耐熱性があり, DPPHラジカル消去能が高いEGCGを5,500 ppm使用することが有効であると考えられた。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.4327/jsnfs.63.219
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130000434986
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00311992
ID情報
  • DOI : 10.4327/jsnfs.63.219
  • ISSN : 0287-3516
  • CiNii Articles ID : 130000434986
  • CiNii Books ID : AN00311992
  • identifiers.cinii_nr_id : 9000022093415

エクスポート
BibTeX RIS