講演・口頭発表等

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2021年5月22日

駄作を愛でる/傑作を呪う

応用哲学会第十三回年次研究大会
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  • 銭 清弘

開催年月日
2021年5月22日 - 2021年5月23日
記述言語
日本語
会議種別

『プラン9・フロム・アウタースペース』(1959)は最高の映画だ。ペラペラのUFOやおよそやる気の感じられないゾンビ(?)に思わず笑ってしまうだけでなく、支離滅裂な展開はそれ自体、西洋合理主義を相対化する撹乱的試みであり、思想的な深みもある。一方、『2001年宇宙の旅』(1968)は全然だめだ。展開は冗長すぎるし、音楽は大げさでわざとらしい。スターチャイルドの造形はすごください。このような評価をするとき、評価者はなにをしているのか。
『プラン9』はふつう駄作として、『2001年』はふつう傑作として紹介される。最も熱心な擁護者ですら、「『プラン9』は皆が認める傑作である」とは言わず、「『プラン9』は、実のところ傑作である」と言う。ここで、芸術作品の価値について、主流の評価を認めつつそれとは反対の評価を行うことを「逆張り評価」と呼び、典型的にはこれを導くような姿勢をもとにした鑑賞をさして「逆張り鑑賞」と呼ぼう。本発表はとりわけ映画作品に関する逆張りの分析を通して、批評の公共性について考える。