2010年11月
ヤクシカの餌場としての林道脇植生の評価
保全生態学研究
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- 巻
- 15
- 号
- 2
- 開始ページ
- 193
- 終了ページ
- 201
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.18960/hozen.15.2_193
- 出版者・発行元
- 日本生態学会
林道の敷設が屋久島に生息するヤクシカの食物資源の増加に寄与している可能性について検討するために、屋久島の林道脇と森林内部における食物現存量と食痕数を調べた。調査地は鹿児島県屋久島北東部の小瀬田林道周辺(標高150〜180m)のスギ人工林(34年生)と広葉樹二次林(36年生および47年生)に設けた。2006年7月〜2007年5月の期間、2ヵ月おきに各調査地の林道脇と森林内部の林床植物を刈り取り、乾燥重量を計測し食物現存量とした。また、各調査地の林道脇と森林内部で食痕数を数えた。食物現存量は人工林、二次林ともに森林内部より林道脇で多く、二次林の森林内部が特に少なかった。食痕数も同様に人工林、二次林ともに林道脇で多く、二次林の森林内部が少なかった。これらの結果から、屋久島では林道脇の植物及び人工林の森林内部の林床植物が、餌資源としてヤクシカに多く利用されていることが示唆された。林道の敷設と人工林化は、個体数増加の一要因になっているのではないかと考察した。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.18960/hozen.15.2_193
- ISSN : 1342-4327
- J-Global ID : 201102289926456288
- CiNii Articles ID : 110008711199
- CiNii Books ID : AA11857952
- identifiers.cinii_nr_id : 9000003185381