基本情報

所属
国立極地研究所 研究教育系 宙空圏研究グループ
総合研究大学院大学 複合科学研究科 極域科学専攻
学位
博士(理学)(京都大学)
修士(理学)(京都大学)


外部リンク

研究課題と活動状況: SuperDARN短波レーダーを用いた電磁圏ダイナミクスの研究を中心に研究を進めている。

1995年に極地研がSuperDARN短波レーダー観測網に参加するにあたり、それ以前から主に技術的な準備を進め、昭和基地での2基の短波レーダーの観測開始、国内データベースの作成、共同利用へのデータ提供と共同研究の推進に努めてきた。2基運用体制が軌道に乗り出してからは、本レーダーを用いた新しい観測手法の開発を基に、特定ビームの高時間分解能観測により、カスプ域近傍での、磁気圏磁気再結合過程と関連すると考えられる、FTE現象の観測に成功し、その太陽風変動への応答についての新たな知見を得た。また、これまでのマルチパルス法を用いたドップラースペクトル観測と平行して、全生IQ時系列データを取得し、飛躍的に高い時間分解能によるデータ取得を行う観測手法を開発し、この手法を用いて、流星エコーのみを抽出し、中間圏界面領域での中性風の高度分布とその時間発展をSuperDARNで初めて取得することに成功した。SuperDARNは他に例を見ない極域全体を覆うレーダーネットワークであるため、この利点と新しい観測手法を組合せることで、この高度領域にいける地球規模の中性風観測網の構築を試みている。また、上記生時系列取得モードを電離層観測に応用し、カスプ領域や、電離圏加熱装置による人工励起FAIからのエコーを捉え、FAIや各領域を特徴付ける物理素過程を捉えることを目的とした研究を進めている。又、SuperDARN短波レーダーは、基本的物理量である電離圏電場の広域2次元での観測が可能である為、他の地上観測や、衛星観測等との比較総合解析研究にも頻繁に役立てられており、共同研究や、他国のSuperDARN参加研究機関との国際共同研究の様態で、これらの研究を推進するよう努めてきた。

南極昭和基地受信設備でデータ取得を行っていた、科学衛星「あけぼの」の放射線モニター(RDM)を用いた、地球磁気圏の放射線帯粒子の振舞いについての研究も、主に宇宙科学研究所や東京工業大学との共同研究の形で行っている。特に、大きな磁気嵐やSCの際に起こる、放射線帯外帯、内帯及びスロット領域の高エネルギー粒子の振る舞いを初め、内部磁気圏のダイナミクスについての、研究を行っている。極域観測歴: 1988.8~1990.3:第30次日本南極地域観測隊あすか観測拠点越冬隊に宙空系隊員として参加、本拠点での本格的な宙空越冬観測として昭和基地との多点観測を実施。

2003.10~2003.11:マクマード基地及びアムンセン・スコット南極点基地を訪問し、全天イメージャー保守。

2004.7~2006.3:第46次日本南極地域観測隊昭和基地越冬隊に宙空系隊員として参加(短波レーダー第1装置更新・短波レーダー第2装置干渉計観測開始・中継拠点往復旅行・沿岸旅行で無人磁力計設置及び保守や宇宙線観測実施・宙空系チーフ・観測主任・持帰り輸送担当等)

その他:2004.1~2、2007.2:英国レスター大にて、EISCAT加熱装置による電離層FAIをSuperDARNレーダー詳細観測、流星風観測。アイスランドにて共役点観測機器の保守。ブラジル地磁気異常帯直下にて宇宙線観測、等。産学共同研究: 特に無

学歴

  2

論文

  161

MISC

  8

講演・口頭発表等

  750

共同研究・競争的資金等の研究課題

  18

社会貢献活動

  25

メディア報道

  3

その他

  1
  • SuperDARN短波レーダー観測は、初期の目的はほぼ達成し、磁気圏・電離圏観測に欠けていた、重要な物理量である極域全体の電場2次元分布を提供することに成功し、今でも盛んに共同研究が行われており、これを今後も推進すべく努力してゆきたい。一方、初期の目的から発展し、或いは独立に、予想外の多方面の研究課題を産んでおり、観測もより複雑化、多様化の方向に進みつつある。その様な状況の中、これまで数秒間の積分で得られたドップラースペクトルを基にした研究から一歩踏み出し、他に先駆けて新しい観測手法を確立し、より高い時間・空間分解能の観測を行い、新しい物理量の抽出に成功したことは、SuperDARNコミュニティーや関連学問に大きな貢献ができたと考える。現在のこの新しい観測手法を、より高精度化し、より高空間・時間分解能のデータを得る技術的な発展を通して、短波レーダー電波の散乱体である未解明のFAIの物理素過程に迫り、また、カスプ等、特徴的なドップラースペクトルを有した地球物理学的な各領域における、スペクトルを決定する要因や物理素過程、また、磁気圏の領域とのマッピング等、現在の地球磁気圏・電離圏の研究における未解明問題や解析研究の際の障害となっている問題点の解明に向け、研究を発展させたいと考える。2004から2006年にかけては、南極地域観測隊に参加し、レーダー装置の更新作業他、種々の活動に忙殺され、腰を据えた研究は困難な状況にあったが、上記の今後の研究計画を実現する為の道具立ては、観測隊参加も含めたこれまでの活動の蓄積で、徐々に整いつつある状況と思われることから、今後は、その成果をより多く出せるように、尚一層の努力をしたいと考える。また、極域電離圏は磁気圏や宇宙への窓と呼ばれる重要且つ格好の観測研究の場であるが、地球規模の全体システムの理解には、高度方向や緯度方向のより地球規模のシステムの理解、或いは、記述する物理の大きく異なる境界領域を理解する為の総合的理解が欠かせない。極域観測の上下結合の理解や、極域電離圏と磁気圏全体を繋ぐ理解に繋がる研究を目指したいと考える。