2007年3月31日
要介護者との関係性と認知症家族介護者のアイデンティティ-介護者の生涯発達から見た認知症介護の意味の検討-
日本大学心理学研究
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- 巻
- 28
- 号
- 開始ページ
- 47
- 終了ページ
- 57
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 出版者・発行元
- 日本大学文理学部心理学研究室
認知症家族介護者の抱く要介護者との関係性や介護認知と,介護者の生涯発達との関連を明らかにすることを目的に質問紙調査を行った.通所サービス利用者の家族介護者87名に質問紙を配布し66名から回答を得た.SCTの回答からKJ法によりカテゴリを抽出し,それを用いて過去関係・現在関係・介護認知の単位で等質性分析を行った.認知症群では過去関係や現在関係とEPSIの多くの下位尺度との間に有意な相関が認められた.認知症疑い群では有意な相関を認めず,認知症なし群では介護負担の少なさと同一性・統合性の高さとが正の相関があった.認知症家族介護者は要介護者との関係性をめぐりアイデンティティの多くの側面で影響を受けている可能性が示唆された.