共同研究・競争的資金等の研究課題

2010年 - 2010年

新規高分子反応法を利用した共役系ブロック共重合体の相分離構造と光電気物性制御

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
10J02488
体系的課題番号
JP10J02488
配分額
(総額)
700,000円
(直接経費)
700,000円

高分子反応による改質は、材料合成のみならず、さまざまな高分子製品の加工や成型に用いられることから、これまでに多くの高分子反応手法が開発されている。一方で、有機電解合成は、酸化剤・還元剤の代わりに、電気エネルギーを駆動力として発生される活性種を利用する環境調和型プロセスである。しかしながら、電極-基質間で行われる固液不均一反応であることから、巨大分子である高分子では、効率的な電子授受が行われず、反応は進行しにくい。そこで、電解重合膜が、電極との効率的な電子授受と対イオンの膜内に対するドーピングが行われることに着目し、電極にキャストした高分子フィルムを電解することを考案した。また、本手法の開発により、将来、高分子膜表面にのみならず膜内部への反応達成、すなわち、膜全体の改質を可能にすると考えられる。したがって、本論文では、電解反応を用いた共役系高分子の改質、すなわち"高分子電解反応"の開発に主眼を置いている。また、本手法により得られた高分子の特徴・有意性を明らかにすべく、光電気特性の調査においても十分な議論を行ってきた。具体的な成果の一つを以下に示す。
効率的な高分子電解反応法の開発:高分子電解反応のデメリットは高分子基質に対して過剰な電解質を使用しなければならない点と電流効率の低さにある。この問題を改善するために薄層セルを考案した。種々のポリチオフェン誘導体に対して陽極電解ハロゲン化を行ったところ、従来法(ビーカー型セルを利用する方法)と比べ飛躍的に反応性(電流効率)が向上することを示した。また、使用する電解質溶液量は非常に少なくても反応可能であった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-10J02488
ID情報
  • 課題番号 : 10J02488
  • 体系的課題番号 : JP10J02488