2019年4月 - 2023年3月
紛争地域における「記憶」と「安全保障化」のメカニズム-「東地中海地域」を事例に
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
- 課題番号
- 19H01463
- 体系的課題番号
- JP19H01463
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
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- (総額)
- 16,770,000円
- (直接経費)
- 12,900,000円
- (間接経費)
- 3,870,000円
本研究課題全体としては、地域紛争研究会例会(2019年8月)において、各自の研究構想を明らかにし、全体に関するすりあわせを行った。個別の研究活動及び実績について、まず、バルカン地域については、民族形成が遅れて行われたマケドニア人の大民族主義的要素について研究を行った。次に、近年、旧ソ連地域の安全保障状況を考える上で特に重要であるロシアの「ハイブリッド戦争」の地域的安全保障への影響について、ハイブリッド戦争一般やその重要な要素であるサイバー攻撃についての研究を進めた。中東については、レバノンの宗派制度における政治的な争点が宗派間の水平的な関係(エリート間の権力分有)から垂直的な関係(階級間の闘争)へと移行しつつあり、また、それに伴い、宗派を単位とした従来の政治のあり方の見直しが進んでいることについて研究を行った。EU・東地中海関係に関しては、東地中海における外部アクターとしてのEUの役割と東地中海におけるプレゼンスを拡大させつつある中国の立ち位置に着目した分析、EU拡大及び近隣諸国政策の最近の展開に関する考察、の2点に力点をおいて研究を行った、ドイツについては、ドイツ・ポーランド関係に関するドイツ側の記憶、そしてドイツの対外政策に関連した在欧米軍削減問題に関する研究を行った。近東については、トルコの「オスマン帝国の記憶」に基づいた東地中海地域諸国との関係を、キプロス紛争の結果うまれた「北キプロス・トルコ共和国」やキプロス問題に対するトルコの政策の変化、そしてトルコにおけるトルコ民族主義の興隆とそれが現政権に及ぼす影響の増大について研究を行った。
- ID情報
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- 課題番号 : 19H01463
- 体系的課題番号 : JP19H01463