共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2019年3月

高変異率実験進化による進化工学的な微生物ゲノム縮小手法の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
17J07299
体系的課題番号
JP17J07299
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
1,700,000円
(直接経費)
1,700,000円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

本研究では、ランダム変異に基づく進化工学的な細菌ゲノム縮小手法を開発することを目的とした。モデル生物として大腸菌を用い、変異原としては紫外線を用いた。そしてこれらで構築した高変異率条件下で長期の培養実験を行い、大腸菌ゲノム上に生じた変異を次世代シーケンサにより検出した。特に、遺伝子不活化性変異、およびゲノムDNAの一部の欠損、挿入を検出することで、あらかじめ不活化性変異が生じていた個所にDNA欠損が起こりやすい、という仮説を検証することを目指した。本年度の活動で、一部の試料についてシーケンシングを完了した。シーケンシングは外部委託を用い、その費用を主な経費とした。また複数の国内学会に参加して研究経過について発表を行った。本研究の意義は、進化工学的なゲノム単純化が、機能遺伝子数の減少だけでなくゲノムDNAサイズの縮小を伴うような、より総合的な細菌ゲノム縮小手法であることを示すためのデータを得ることである。結果、シーケンシングを行った3つの試料のすべてについて、ゲノム長が短くなる方向の変化があったことを示した。これは本手法の目的であるゲノム縮小効果の存在を部分的に支持するものであるといえる。今後は、得られたデータをさらに解析して、不活化性変異の発生とDNA欠損の発生の相関について検証することを試みる。本研究のこれまでの提案および結果は、既存のゲノム縮小手法である遺伝学的手法の問題点を回避する新たな手法を検討するという点で重要であると考える。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17J07299
ID情報
  • 課題番号 : 17J07299
  • 体系的課題番号 : JP17J07299