2021年9月
Clostridium perfringensによるガス産生性肝膿瘍の1例
日本救急医学会雑誌
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- 巻
- 32
- 号
- 9
- 開始ページ
- 453
- 終了ページ
- 458
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本救急医学会
ガス産生性肝膿瘍は致死率の高い疾患である。起因菌はKlebsiella pneumoniaeが主体であるが,稀にC.perfringensによるものがある。急性胆嚢炎に伴いC.perfringensによるガス産生性肝膿瘍を発症し,敗血症となりDICを合併したが,救命し得た1例を経験したので報告する。症例は83歳の男性で,腹痛と発熱を主訴として受診した。来院時,白血球増多と肝逸脱酵素の上昇および黄疸を認めるとともに,低酸素血症を認めた。線溶系も亢進しており,画像上は,胆嚢頸部に胆石嵌頓が疑われるとともに,肝右葉に内部不均一なガスを伴う膿瘍形成を認め,門脈ガス血症も伴っていた。急性胆嚢炎に伴うガス産生性肝膿瘍と診断した。カルバペネム系の抗菌薬投与を含む全身的なケアを行い,第10病日に開腹下膿瘍ドレナージおよび胆嚢摘出術を施行した。術後は順調に経過し,第65病日に自宅退院となった。C.perfringensによるガス産生性肝膿瘍は,高齢者に多くみられる非外傷性の深部組織の感染症で,しかも進行が早いことから救命が難しい病態である。しかし,画像診断の活用が救急外来においてもさらに進むことにより,早期に診断される例も増加すると考えられる。今後,救命への手がかりが蓄積して系統的なアプローチが整備されることが期待される。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0915-924X
- eISSN : 1883-3772
- 医中誌Web ID : 2022008406