2008年
ミロシン細胞分化におけるSYP2ファミリーSNAREタンパク質の役割
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
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- 巻
- 2008
- 号
- 0
- 開始ページ
- 794
- 終了ページ
- 794
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.14841/jspp.2008.0.0794.0
- 出版者・発行元
- 日本植物生理学会
ミロシン細胞はアブラナ科に特異的な異型細胞である.葉のミロシン細胞は主に維管束近傍に点在し,周囲の細胞に比べて顕著に伸張し分枝する場合もある.ミロシン細胞の液胞は発達しており,内部に蓄積されたミロシナーゼがグルコシノレート(カラシ油配糖体)を分解して辛み成分を生成することによって植物の生体防御に関与する.現在のところ,ミロシン細胞の分化機構は全く未知である.これまで,ミロシン細胞の数が増加して異常な分布パターンを示すatvam3変異体の解析から,ミロシン細胞と導管の分化が植物ホルモンによって制御されている可能性を報告してきた.AtVAM3は液胞膜と液胞前区画膜に局在するSYP2ファミリーに属するSNAREタンパク質である.シロイヌナズナにはAtVAM3以外に2つのSYP2タンパク質 (AtPEP12およびAtPLP) が存在することから,ミロシン細胞分化におけるこれらの関与を解析した.その結果,atpep12変異体およびatplp変異体では,ミロシン細胞の数と分布パターンに異常はなかった.atvam3変異体との多重変異体では,atvam3単独変異体よりもミロシン細胞分化において顕著な異常を示し,さらにatvam3単独変異体では見られなかった新たな表現型を持つことが明らかとなった.以上の結果から,SYP2ファミリーの機能について考察したい.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.14841/jspp.2008.0.0794.0
- J-Global ID : 200902294381997036
- CiNii Articles ID : 130006992778