
新村 毅
基本情報
- 学位
-
学術(麻布大学)
- 連絡先
- shimmura
go.tuat.ac.jp
- 研究者番号
- 50707023
- J-GLOBAL ID
- 201201093307260338
- 外部リンク
家畜福祉(アニマルウェルフェア)とは、家畜の快適性を確保することで、生産性を向上させ、さらに安全で人類の健康に寄与する高付加価値の畜産物を生み出すものです。私達は、言葉を話すことができない動物の心や欲求を、その行動を通して判断し、それを動物管理技術にフィードバックすることにより、動物と管理者の双方にとってよりよい環境づくり(One Welfare)を目指しています。
私達のグループでは、One Welfareの実現のため、システム行動生物学的な研究、すなわち、システム生物学を行動学に取り入れ、複雑で動的な行動を1つのシステムとして理解して制御する研究を展開しています。現在、①行動遺伝育種、②Animal Computer Interaction、③福祉的環境デザインを3つの大きな柱とし、動物の一生を通じ、その行動を遺伝要因・環境要因から理解して制御する研究を進めています。サイエンスとしての面白さと応用性を兼ね備えた研究を目指し、動物の行動を軸としつつも、目標を達成するために、必要なあらゆる技術を投入することを特色としています。
① 行動遺伝育種
行動遺伝育種の目指すところは、問題行動の分子メカニズムを理解し、ゲノム育種を用いた新品種の造成により遺伝的な制御を行うことにあります。現在、共喰いや発声等の問題行動に焦点を置き、ゲノムレベルから生態レベルまでを扱う統合オミクスを軸にして、制御遺伝子の同定に取り組んでおり、さらにその情報を用いた分子育種により問題行動の生じない新品種の創出を目指しています。
② Animal Computer Interaction
Animal Computer Interactionの目指すところは、ヒトが携帯と会話するSiriのように、動物との会話を実現することにあります。現在、動物行動学・情報工学・ロボット工学の融合により、音声コミュニケーションや行動から、動物の情動を把握(可視化)する技術と、それを制御する技術の開発を進めており、さらにそれらを連動させることで動物とのインテラクションを実現させることを目指しています。
③ 福祉的環境デザイン
福祉的環境デザインの目指すところは、日本に真に適合的である飼育システムを提案することにあります。現在、オミクス解析を用いて、様々な福祉的飼育システムがニワトリや畜産物に与える影響のランドスケープを明らかにする研究を進めています。それを基に、新たな福祉的飼育システムの開発を実施し、様々なステークホルダーと共に日本型の福祉的飼育システムを提案することを目指しています。
Selected Publications
1. Nakayama & Shimmura et al. Nature Ecology & Evolution, 1-8 (2019).
2. Shimmura et al. Scientific Reports 9, 1-7 (2019).
3. Shimmura et al. Nature Communications 8, 1-7 (2017).
4. Shimmura et al. Scientific Reports 5, 1-9 (2015).
5. Nakane & Shimmura et al. Current Biology 24, R596–R597 (2014).
6. Shimmura & Yoshimura. Current Biology 23, R231-R233 (2013).
経歴
7-
2016年11月 - 現在
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2016年11月 - 現在
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2017年5月 - 2017年7月
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2013年6月 - 2016年11月
-
2013年4月 - 2013年5月
学歴
2-
2007年4月 - 2009年3月
-
2005年4月 - 2007年3月
受賞
9-
2019年11月
-
2012年8月
-
2011年11月
論文
32-
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 2020年4月10日 査読有り
-
PloS one 14(9) e0222106 2019年 査読有り
-
Nature Ecology & Evolution 1 - 8 2019年 査読有り
-
Scientific Reports 9 1 - 7 2019年 査読有り
-
General and Comparative Endocrinology 260 171 - 174 2018年5月1日 査読有り
MISC
10-
POULTRY SCIENCE 87 130 - 130 2008年
-
JOURNAL OF ANIMAL SCIENCE 85 243 - 244 2007年
-
JOURNAL OF DAIRY SCIENCE 90 244 - 244 2007年
-
JOURNAL OF DAIRY SCIENCE 90 243 - 243 2007年
-
JOURNAL OF ANIMAL SCIENCE 85 243 - 243 2007年
書籍等出版物
7-
Frontiers Media SA 2018年
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Aschoff and Homma Memorial Foundation 2015年
-
朝倉書店 2014年
-
東京化学同人 2013年
講演・口頭発表等
13-
第23回日本時間生物学会学術大会シンポジウム「動物の多様なリズムとその応用」 2016年11月 招待有り
-
11th International Symposium on Avian Endocrinology (ISAE2016) 2016年10月 招待有り
-
11th International Symposium on Avian Endocrinology (ISAE2016) 2016年10月 招待有り
-
畜産学会若手企画サマーキャンプ「アニマルサイエンス若手研究者の胎動」 2016年9月 招待有り
-
31th International Congress of Psychology (ICP2016) 2016年7月 招待有り
共同研究・競争的資金等の研究課題
12-
日本学術振興会 科学研究費補助金・基盤研究(B)
-
文部科学省 卓越研究員事業
-
日本学術振興会 科学研究費補助金・挑戦的研究(萌芽)
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日本中央競馬会 畜産振興事業
-
JST A-STEP
委員歴
2-
2013年4月 - 現在
-
2012年4月 - 現在