2017年4月 - 2020年3月
ウイルス由来ノンコーディングRNAによるフラビウイルス感染制御メカニズムの解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
- 課題番号
- 17H03910
- 体系的課題番号
- JP17H03910
- 担当区分
- 研究分担者
- 配分額
-
- (総額)
- 16,250,000円
- (直接経費)
- 12,500,000円
- (間接経費)
- 3,750,000円
本研究においては、ダニ媒介性フラビウイルスであるダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV)について、これまでの研究成果で推定された、ウイルス遺伝子RNA由来長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)の産生に関わると推定される領域に変異を導入したウイルスを作製し、その性状を解析した。ウイルスを感染させ、細胞内におけるウイルス由来lncRNAの産生状況について解析した所、哺乳動物細胞と節足動物由来培養細胞で産生されるlncRNAのパターンに相違があることが明らかになった。また、哺乳動物細胞においては変異による増殖性の相違は認められなかったが、節足動物細胞においては増殖の遅延が認められ、特定のウイルス由来lncRNAが、節足動物における効率の良い増殖に関与している可能性が示唆された。
またマウスモデルにウイルスを感染させ、病原性を検討した所、変異により接種時の病原性の上昇が認められた。さらにレポーターアッセイにより、ウイルス感染細胞中のインターフェロン応答を解析した所、ウイルス感染によりインターフェロンプロモーター活性の抑制が認められたが、変異によりこの抑制が増強されることが示された。これらの事よりウイルス由来lncRNAはマウス体内において、自然免疫応答の制御機構があり、これが病態発現につながっている可能性が示唆される。
以上の成果から、ウイルス由来lncRNAは感染宿主の種に応じて異なる機能を持っており、これらが自然界におけるウイルス伝播や、病態発現に関与していると考えられるため、今後詳細に解析していく必要があると考えられる。
またマウスモデルにウイルスを感染させ、病原性を検討した所、変異により接種時の病原性の上昇が認められた。さらにレポーターアッセイにより、ウイルス感染細胞中のインターフェロン応答を解析した所、ウイルス感染によりインターフェロンプロモーター活性の抑制が認められたが、変異によりこの抑制が増強されることが示された。これらの事よりウイルス由来lncRNAはマウス体内において、自然免疫応答の制御機構があり、これが病態発現につながっている可能性が示唆される。
以上の成果から、ウイルス由来lncRNAは感染宿主の種に応じて異なる機能を持っており、これらが自然界におけるウイルス伝播や、病態発現に関与していると考えられるため、今後詳細に解析していく必要があると考えられる。
- ID情報
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- 課題番号 : 17H03910
- 体系的課題番号 : JP17H03910