2017年11月
メトトレキサート治療中のリンパ増殖性疾患による回腸穿孔の1例
日本臨床外科学会雑誌
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- 巻
- 78
- 号
- 11
- 開始ページ
- 2469
- 終了ページ
- 2473
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.3919/jjsa.78.2469
- 出版者・発行元
- 日本臨床外科学会
メトトレキサート(methotrexate:MTX)は,その免疫抑制作用によりリンパ増殖性疾患の発症リスクを増加させる因子として知られている.今回,MTX治療中のリンパ増殖性疾患により,回腸穿孔を発症した症例を経験した.症例は77歳,女性.関節リウマチに対して5年前からMTXを内服していた.急激な腹痛を認め来院した.腹部全体に圧痛および反跳痛を認めた.腹部CTで腹腔内遊離ガス像と腹水を認め,消化管穿孔による汎発性腹膜炎の診断で緊急手術を施行した.腹腔内には混濁した腹水と回腸に穿孔を認め,穿孔部を含めた回腸を部分切除し,人工肛門を造設した.病理組織学的検査でMTX関連びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫を認め,それによる穿孔と診断した.術後はMTXを中止し,リンパ増殖性疾患は改善した.MTX関連リンパ増殖性疾患による消化管穿孔はまれで,本疾患について若干の文献的考察を加えて報告する.(著者抄録)
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.3919/jjsa.78.2469
- ISSN : 1345-2843
- 医中誌Web ID : 2018062525