2021年7月 - 2023年3月
生体直交反応を用いた脳PETリガンドの開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
本研究の目的は、これまでの方法では画像化や測定が不可能であったヒト生体脳内の微量な分子を低侵襲的に画像化し測定するための新しい方法として生体直交反応を利用した陽電子断層撮像法(PET)リガンドシステムを開発し、神経変性疾患をはじめとする脳疾患の病態解明や治療に貢献することである。生体直交反応を利用することで、従来のPETリガンドでは困難であった、微量な脳内分子の測定を可能にする。
生体直交反応とは、生体環境で生じるが、生体由来の機能や機構に干渉せず、毒性反応物を生じない反応である。脳内標的分子に特異的結合する分子を先に投与し、後に投与するPETリガンドと生体内において生体直交反応で結合することでイメージングを可能とするシステムを開発する。本研究では、生体脳内分子に特異的結合する分子と、陽電子放出核種で標識したPETリガンドそれぞれに官能基を付与し、生体内で特異的結合させる。本研究では生体直交反応として、1,2,4,5-tetrazineとtrans-cycloocteneのようなアルケンの反応であるthe inverse-electron-demand Diels-Alder(IEDDA)反応を用いる。
本年度は、生体直交反応の官能基を付与した汎用PETリガンドとして、簡便に短時間で標識でき、高い反応速度、脳移行性と速やかな洗い出し、そして生体内安定性という条件を満たす化合物を複数選出した。このうち3種類のリガンドについて11Cによる標識合成に成功した。さらに、2種類の標識化合物について、高い脳移行性と、速い洗い出しを確認した。
生体直交反応とは、生体環境で生じるが、生体由来の機能や機構に干渉せず、毒性反応物を生じない反応である。脳内標的分子に特異的結合する分子を先に投与し、後に投与するPETリガンドと生体内において生体直交反応で結合することでイメージングを可能とするシステムを開発する。本研究では、生体脳内分子に特異的結合する分子と、陽電子放出核種で標識したPETリガンドそれぞれに官能基を付与し、生体内で特異的結合させる。本研究では生体直交反応として、1,2,4,5-tetrazineとtrans-cycloocteneのようなアルケンの反応であるthe inverse-electron-demand Diels-Alder(IEDDA)反応を用いる。
本年度は、生体直交反応の官能基を付与した汎用PETリガンドとして、簡便に短時間で標識でき、高い反応速度、脳移行性と速やかな洗い出し、そして生体内安定性という条件を満たす化合物を複数選出した。このうち3種類のリガンドについて11Cによる標識合成に成功した。さらに、2種類の標識化合物について、高い脳移行性と、速い洗い出しを確認した。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K19466
- 体系的課題番号 : JP21K19466