基本情報

所属
東京大学 大学院人文社会系研究科
学位
修士(文学)(2021年3月 東京大学)

連絡先
shinnosukeokadahotmail.com
J-GLOBAL ID
202201009702711825
researchmap会員ID
R000043339

「小説や映画、ドラマなどのフィクション物語作品を私たちがどのように鑑賞し、どのような影響を受け得るのか」という関心に基づき、英米圏の現代美学(分析美学)の手法でフィクションや物語、想像力などのトピックを研究しています。今までは特に、私たちがフィクションへの想像的参与を困難に感じる「想像的抵抗(imaginative resistance)」という現象を手掛かりにフィクション論一般に示唆を与える試みを行い、その成果を修士論文として執筆しました。

***

現在の研究関心は以下の通りです。

⑴物語論の基礎概念の哲学的検討、あるいはメタ物語論

文学や映画などの物語作品一般に関する理論構築を目指す研究は、物語論(narratology)として蓄積が存在します。しかしそこで前提されてきた諸概念(例えば「物語(narrative)」「ストーリー(story)」「視点(point of view)」あるいは「焦点化(focalization)」など)は理論的な厳密さが問われてきませんでした。またそれらに関する哲学的な研究は少なく、十分とは言えません。

そこで私は、それらの物語に関する諸概念を哲学的な手法で問い直し、より明晰な形で概念を整理します。これは物語論を、その前提する概念を問い直すことによって更新するという意味で、メタ物語論的な試みと言えるでしょう。

「ストーリー」概念については2022年の第73回美学会全国大会で研究成果を発表し、学会誌『美学』にて論文を発表しました。

⑵物語参与における想像力概念の分析

物語作品を鑑賞するときの私たちの心的状態を「想像(imagining)」という概念で特徴づけることは、近年の分析美学の研究においてある程度同意が取れていると言えます。しかしその「想像」概念の内実については、論者によって様々なとらえ方がされており、いまだに十分な整理がされているとは言えません。

私は特にR.ウォルハイムに遡る二つの想像力概念、つまり「中心的想像(central imagining)」と「非中心的想像(acentral imagining)」(Wollheim 1974; 1999)を巡る論争に着目します。そこから想像と視点を巡る議論を取り出すことによって、物語参与における想像力を適切に特徴づけられる想像理論の構築を目指します。

このトピックに関しては、物語鑑賞における登場人物への「共感(empathy)」の観点から2023年の第15回応用哲学会及びイギリス美学会の院生会議で口頭発表を行いました。

⑶文学の認知主義

芸術作品が私たちに知識をもたらし得るかという問題は、芸術作品の認知主義(cognitivism)として議論が重ねられてきました。文学の認知主義はその問題系のサブカテゴリに位置すると言えます。

文学の認知主義は複数の問題の重なり合ったものです。そのうちの一つはフィクションの認知主義の問題で、これは「非現実の事柄に関する記述から知識が得られるのか?」という問題です。またそれと結びついた問題として、「フィクションから知識が得られるとして、それはどのような種類の知識なのか?」という問題も存在します。

私はこの問題に取り組むにあたって、文学作品の物語としての側面、つまり出来事をある視点から叙述するという特徴に着目します。それによって文学作品から得られる知識を、他者の世界を見る視点の理解という形で定式化することを目指します。

⑷臨床分野におけるナラティブアプローチの哲学的検討

精神医学や看護学、あるいはケア論において1990年代から盛んになった「ナラティブアプローチ」は、患者本人の自分に起こった出来事に関する「語り」を重視するという特徴があります。私はそのようなナラティブアプローチにおいて用いられる諸概念(「オルタナティブ・ストーリー」「ダブルリスニング」「外在化」等)について、哲学的な見地から分析を行い、理論構築に貢献することを目指します。

 


研究キーワード

  5

論文

  3

MISC

  3

書籍等出版物

  1

講演・口頭発表等

  9

担当経験のある科目(授業)

  2

所属学協会

  2

共同研究・競争的資金等の研究課題

  1
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構 次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)「グリーントランスフォーメーション(GX)を先導する高度人材育成」プロジェクト 2021年10月 - 2024年3月
    岡田進之介

その他

  1