基本情報

所属
慶應義塾大学 文学研究科 哲学・倫理学専攻 後期博士課程
学位
学士(哲学)(2021年3月 慶應義塾大学)
修士(哲学)(2023年3月 慶應義塾大学)

連絡先
snzktigkeio.jp
J-GLOBAL ID
202101014302457292
researchmap会員ID
R000017997

分析哲学の手法を用いて、意識に関する次のような問いに取り組んでいます。

  1. 意識とは何か(意識の形而上学)
    意識はしばしば客観的な科学では探究の難しい主観的なもの(クオリア)であると考えられています。このような考えは、一見して正しいように思われますが、意識を不必要に神秘化してしまうという問題もあります。このような問題を幻想主義(illusionism)という立場から解消・解決することを目指しています。幻想主義とは、私たちが直観的にあるかのように思う主観的な意識(現象的意識)はある種の幻想であり、実在する意識は自然科学によって客観的に探究可能なものであると主張する立場です。より具体的には、自然主義的な立場を推し進めて意識の「ハード・プロブレム」を解消し、さらに意識の「イリュージョン・プロブレム」(現象的意識は存在しないにも関わらず、存在するかのように思われるのはなぜかという問題)を解決することに取り組んでいます。
  2. 意識の価値とは何か(意識の価値論)
    意識はしばしばそれ自体として価値を持つと考えられています。例えば意識的な痛みの経験はそれ自体悪いものであるように思われます。このような考えは倫理学においても、痛みを感じる能力を持つ動物を傷つけてはならない理由などとして挙げられ、重要なものであると言えます。このような意識の価値が実際にあるのか、あるとしたらどのような意味で、どれだけ重要なのかを探究しています。また、動物福利論など倫理学の文脈で意識の価値という考え方が具体的にどのような役割を果たすのか、そして果たすべきかについても考えています。

意識の哲学のほかに、信頼(trust)概念についても研究しています。特に、Annette Baierから始まる、信頼を依拠(reliance)の概念を使って分析する系譜の信頼研究に取り組んでいます。このような信頼研究の他領域への応用可能性についても考えています。

さらに、分析的な現代形而上学の手法を応用したポップカルチャー研究も試みています。


論文

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MISC

  3

講演・口頭発表等

  7

所属学協会

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共同研究・競争的資金等の研究課題

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