共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

理論・モデル・実験を統合した言語の神経基盤の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
19H01256
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
17,420,000円
(直接経費)
13,400,000円
(間接経費)
4,020,000円
資金種別
競争的資金

今年度は、以下のトピックに関して研究を進めた。
(1)日本語母語話者に対する機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いた実験により、併合演算によって作られた統辞構造に基づく単語同士の依存関係と、統辞構造と無関係の依存関係では、脳で処理するメカニズムが異なるかどうかを検討した。その結果、併合演算で作られた統辞構造に基づく単語同士の依存関係は左下前頭回を中心とする言語野で処理されるのに対し、統辞構造に無関係な依存関係は、両側の外側運動前野、後頭葉を中心とする脳領域で処理されることを明らかにした。以上の結果を原著論文としてFrontiers in Psychologyにて発表した。
(2)日本語母語話者を対象に、語彙を判断する際の脳活動を、脳磁計により計測した。その結果、左下側頭回・紡錘状回の活動が、形態素間の推移確率によって説明可能であることを実証した。以上の結果を11th Annual Meeting of the Society for the Neurobiology of Language (SNL2019)、Architectures and Mechanisms for Language Processing 2019 (AMLaP2019) などで発表し、引き続き投稿論文の準備を進めている。
(3)日本語母語話者を対象に、経頭蓋直流電気刺激法を利用して、文法学習に伴う脳の可塑的変化を検証する実験を実施した。左下前頭回を含む脳領域を電気刺激すると、文法処理に必要な処理時間が変化することを明らかにした。以上の成果は第43回日本神経科学大会にて発表予定である。
来年度以降も引き続き、実験・理論・モデリングの研究を進めていく。

ID情報
  • 課題番号 : 19H01256

この研究課題の成果一覧

論文

  4

書籍等出版物

  1

講演・口頭発表等

  44