共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年10月 - 2024年3月

亜寒帯・温帯・熱帯植物の「植物体圏」におけるプラスミドの伝播現象の実態解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))  国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

課題番号
20KK0128
体系的課題番号
JP20KK0128
配分額
(総額)
18,590,000円
(直接経費)
14,300,000円
(間接経費)
4,290,000円

植物の葉圏・根圏(植物の地上部(葉圏)と地下部(根圏)を合わせて植物体圏とよぶ)が,プラスミドや薬剤耐性遺伝子の温床となっていることが示されつつある.本年度は,昨年度のドイツ側との打ち合わせを経て,モデル植物としてレタスを選抜し,プラスミドキャプチャリングを実施した.また,施肥条件が異なり,複数種類の作物を輪作している筑波大学の管理圃場の植物体圏からプラスミドキャプチャリングを実施し,IncP群とPromA群プラスミドを取得した.いずれの場合も,化学肥料や,稲わらのみから作出した堆肥の有無によって,得られるプラスミドの数に変化が認められ,プラスミドの多くは,無施肥の根圏から得られた.得られたプラスミドの全塩基配列を解読したところ,IncP群プラスミドからは,水銀耐性に関与する既知遺伝子群や,芳香族化合物の代謝に寄与すると推定される遺伝子群が,トランスポゾンに含まれる形で存在していた.残念ながら本年度もドイツ・マレーシアの訪問・現地での実験は,新型コロナウイルスの感染状況が好転せず,実施できなかった.そのため,主にドイツの研究グループとは,植物体圏でのプラスミドの動態を追跡する実験についてはメールでの打ち合わせを行った.また,日本で得られたプラスミドについては,モデル植物体圏由来の,どのような微生物に接合伝達するのかという宿主域を,フローサイトメトリーとセルソーターや,蛍光顕微鏡を用いて実施するシステムを構築した.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20KK0128
ID情報
  • 課題番号 : 20KK0128
  • 体系的課題番号 : JP20KK0128